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https://ocw.kyoto-u.ac.jp/course/913/
2015.7.11-12
第2回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム
http://kuip.hq.kyoto-u.ac.jp/ja/archives/2015/about/
[エレクトロニクス分野]
松波 弘之(京都大学 名誉教授)
講演テーマ
「パワー半導体デバイス-電気エネルギー有効利用の主役-」
半導体デバイスは、20世紀半ばのトランジスタ発明を契機に、エレクトロニクスの中核となり、コンピュータ、ネットワークを核とする情報化社会へと大きなパラダイムシフトをもたらした。社会の発展には多くのエネルギーを要し、特に、情報化社会への急速な移行によって、使いやすい電気エネルギーの消費量は増加の一途をたどっている。地球環境保全の重要性を考えれば、この解決を単純に電力供給源の増加に求めることは明らかに好ましくない。いま求められているのは、エネルギー利用の節減と電気エネルギー利用の高効率化であり、特に、後者は著しいエネルギー節減効果をもたらすので極めて重要である。パワー半導体デバイスはこれら電気エネルギーの有効利用を図るために必須のデバイスであり、近年、その進歩に大きな関心が集まっている。
講演では、パワー半導体デバイスと、電気エネルギー変換に使われるパワーエレクトロニクスシステムの概略を述べ、それに使われる半導体材料を紹介する。従来から半導体シリコン(Si)が主役の座を保ってきたが、電気エネルギー利用の高効率化の観点から、新しい材料としてシリコンカーバイド(SiC)が台頭し、性能を大きく改善しつつある。各種の電気・電子装置、家庭電化製品、産業用機器、非常用電源、列車、送配電装置、自動車へ、小型、高効率、簡易冷却のパワーエレクトロニクスデバイスを適用した実用例を紹介する。さらに、ガリウムナイトライド(GaN)系材料が研究開発の対象となりつつある。これらの現状を分かりやすく紹介し、最新の情報を含めて、将来展望を述べる。
京都大学OCW
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