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第10回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム「社会を変える究極の省エネ半導体」

木本 恒暢(京都大学大学院工学研究科 教授)
「社会を変える究極の省エネ半導体」

半導体は現代のエレクトロニクス社会を支える最も重要な材料です。パソコン、スマホの動作はほぼ全て半導体によって実現されています。新しい電力源の一つとして普及している太陽電池や白色照明も半導体でできています。一方、自動車、電車、電力などの分野で活躍する半導体は「パワー半導体」と呼ばれ、歴史的に日本が世界をリードしてきました。特に、今後、ガソリン車から電気自動車への移行が進むと予想され、パワー半導体の重要性と需要はますます増加します。従来、パワー半導体の材料としてケイ素(Si)が長年用いられてきましたが、近年、このケイ素の理論限界を大幅に突破する半導体の研究開発が急速に進展しています。中でも、京都大学発祥とも言える炭化ケイ素(SiC)は、数多くの優れた性質を有し、かつ半導体としての技術も進んでいるので、数年前から本格的な実用化が始まりました。炭化ケイ素を用いることにより、様々な電気機器の電力損失が大幅に低減されることが実証され、最近では新幹線、地下鉄、電気自動車への搭載が進んでいます。本講演では、究極の省エネ半導体として研究と実用化が進んでいる炭化ケイ素半導体の魅力を紹介します。

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京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウム(略称“KUIP”クイップ)は、京都大学主催・公益財団法人稲盛財団共催により、2014年から毎年開催している国際シンポジウムです。

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