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第10回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム 「未来のクルマは植物で作る」

矢野 浩之(京都大学生存圏研究所 教授)
「未来のクルマは植物で作る」

大気中のCO2と水から作られる木材は、その半分がセルロースナノファイバー(CNF)というナノの繊維(太さが髪の毛の万分の1)で出来ています。驚くことに、このナノ繊維は、鋼鉄の1/5の軽さで7-8倍もの強度があります。身近な紙は、ほぼ100%CNFです。しかし、一般には、紙が簡単に破れたりすることから、木材や紙がそんなに強い材料で出来ていることはあまり知られていません。私たちは、紙を解してCNFを作り、それをプラスチックに混ぜるなどして軽量で高強度の材料や透明の材料を開発しています。さらに、CNF材料を使いスポーツカーを作り、普通の自動車と比べ16%軽量化でき、CO2の排出が8%減ることを実証しました。CNF材料はリサイクルが容易で、燃やさなければ、形を変えて大気中のCO2をいつまでも固定し続けることが可能です。本講演では、どのように木材からCNFを取り出し、加工し、自動車に作り上げるのかお話しします。

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京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウム(略称“KUIP”クイップ)は、京都大学主催・公益財団法人稲盛財団共催により、2014年から毎年開催している国際シンポジウムです。

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