流体の運動をそのまま目で捉えることは難しい。インクやアルミ粉末などのトレーサーを置くことで人間に認識しやすい形にすることを可視化と呼ぶ。墨流しは芸術に起源を持つものの、墨をトレーサーとする立派な可視化手法である。日々の気象現象をつくる大気と、身近な水は、同じ物理法則にしたがっている。大きさは違っても条件をうまく揃えれば(レイノルズの相似則)、大気でみえる現象をそのまま室内実験のスケールまで小さくして見ることができる。

冬の屋久島や済州島などでは島の風下側に雲の渦が列状に並びカルマン渦列を形成することがある。高さ1km付近に顕著な気温逆転層があり、山頂が層よりも高く、風向がほぼ一定で強い風が吹くなどの条件がそろうと発生することがある。渦ができる高度は500〜2000m程度、長さはおよそ500〜1000km、渦の直径は20〜40kmとなる。

■その他の実験動画
http://www.eps.sci.kyoto-u.ac.jp/research/introduction/02/index.html

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本動画は2015年度のガイア祭で撮影されたものです。ガイア祭は京都大学学園祭「11月祭」において、地球惑星科学専攻の学生が中心となって実施している、地球惑星科学の体験・演示イベントです。

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