火山の模型を置いた箱の中を直接見ると(右)何も起こっていないように見えますが、赤外線カメラで撮影した映像(左)では山からガスが噴出している様子がわかります。この実験では、箱の奥に電気あんかを設置し、山頂からエアダスターを噴射しています。使用したエアダスターは赤外線を吸収するガス(HFC-152a)を含んでおり、高温のあんかから放射された赤外線はガスに吸収されます。これを赤外線カメラで撮影すると、ガスが存在する領域が周囲よりも弱い赤外線放射域として確認できます。

実際の火山では、この実験と同様の方法で火山ガスを観測しています。火山ガスは高温かつSO2やh4Sなどの有毒な成分を含むため、直接観測は危険です。そこで、火山ガスに含まれる成分が赤外線や紫外線を吸収する性質を利用した遠隔観測がなされています。例えば、紫外線を用いたSO2放出量の測定や、赤外線を用いた火山ガスの化学組成推定が実施されています。

■その他の実験動画
http://www.eps.sci.kyoto-u.ac.jp/research/introduction/02/index.html

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本動画は2015年度のガイア祭で撮影されたものです。ガイア祭は京都大学学園祭「11月祭」において、地球惑星科学専攻の学生が中心となって実施している、地球惑星科学の体験・演示イベントです。

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