私たちの日常生活は、誰が定めたわけでもない、何故か存在するルールによって規制されている。例えばエスカレーターに乗るとき、大阪では右に立ち、東京では左に立つのが一般的だ。
人類学を通して、もはや「透明」と化した、当たり前の仕組みを浮き彫りにするのが京都大学准教授の石井美保さんだ。マンガロール経済特区で、発展の両極端にある文化同士がお互い何に目覚めたかを語る。

憑依・呪術・儀礼をはじめとする人々の宗教実践を中心に研究する人類学者。

北海道大学在学中、フィールドワークを求めて人類学の道に進んだ。京都大学の修士課程では、タンザニアで勃興している「ラスタファリ運動」と呼ばれる宗教運動と、この運動にかかわる都市出稼ぎ民の生活について調査を行った。また博士過程では、ガーナのココア開拓移民の村に住み込み、精霊祭祀・妖術・呪術と民族間の関係について調査を行った。現在はフィールドを南インドに移し、憑依をともなう神霊祭祀と大規模開発の相互影響に関する調査研究に取り組んでいる。

著書に『精霊たちのフロンティア—ガーナ南部の開拓移民社会における<超常現象>の民族誌』、共著書に『宗教の人類学』などがある。

This talk was given at a TEDx event using the TED conference format but independently organized by a local community. Learn more at http://ted.com/tedx